胃腸科

 消化器病学会専門医としての経験・知識と、5万件以上の検査実績を持つ消化器内視鏡学会専門医としての経験・技術で、「安全に」「できるだけ辛くない」「できるだけ痛くない」そして「少しでも小さな病変を見つけたい」という内視鏡検査を軸に、しっかりとした診断・治療に結びつけて行きます。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)

<一般的に胃カメラ検査とよく呼ばれますが、正確には喉から食道、胃、十二指腸まで全てを観察するため、医学的には上部消化管内視鏡検査といいます。>

診断可能疾患

咽頭がん、食道がん、逆流性食道炎、ピロリ菌感染による慢性胃炎や胃潰瘍、自己免疫性胃炎、アレルギー性胃炎、アミロイドーシス、NSAID’s潰瘍、さらには胃がんや胃腺腫、粘膜下腫瘍、カルチノイド、十二指腸がんなど様々な上部消化管の疾患を診断することができます。必要に応じて可能ならば魚骨、アニサキス、などの異物除去を行うこともあります。

 

 胃癌は異型度・分化度(癌の種類・性質)にもよりますが、早期で発見できれば内科的に内視鏡切除可能で、実際に当院でも2/3の症例は内視鏡切除で完治しております。少し進行していても進行癌早期ならば、開腹せず外科的の腹腔鏡切除が可能で、入院も短期間で済みます。完全な進行癌は外科開腹切除となりますが、年々減少傾向にはあります。むしろ症状は以前からあったのに、とことん我慢してから来院され、転移だらけで外科切除不能となる例が増えています。少しでも早期に発見することが何よりも重要です。

 胃がんは症状が出てからでは早期発見できませんので、日頃からしっかり健診を受けておくことが重要です。

【ピロリ菌の除菌後判定について】

 ピロリ菌の除菌後判定は、最低でも除菌4週後といわれていますが、偽陰性が出やすいため、正確を期すならば3ヶ月後以降が望ましく、内視鏡検査による判定を併用することが望ましいのです。そのため当院では胃潰瘍・十二指腸潰瘍があれば治療3ヶ月後の内視鏡検査と共に、なければ、実際には1年後の内視鏡検査時に除菌後判定を行います。実際に除菌後1年、2年以内に早期胃癌が発見されることが多く、B・C・D群共に除菌1年後は必ず、可能なら除菌2年後、以降はリスクに応じて間隔を空けていただくのが当院推奨です。 

 除菌をしたらもう胃癌にならなくなると勘違いされている方が大変多く、二度と内視鏡検査を受けられない方が多いため、一生涯胃癌のリスクが残ります。

 胃癌リスクが判定できるのは、あくまで初回の除菌前のみです。
除菌後は必ず内視鏡検査、最低でもバリウム検査によるフォローを行わなければなりません。

 

高砂市等で行われている胃癌リスク健診(通称ABC健診)は、ピロリ菌の除菌前であれば、採血を受けるだけでその人の一生涯の胃癌リスクが診断できます。

A群ならばピロリ菌がおらず、慢性胃炎無し、胃がん家系さえなければほぼ胃癌のリスクはありません。

A’群ならば、A群とB群、E群が混在しており、内視鏡検査によりどの群であるかを鑑別します。
他市ではA’群はB群に入れられているため、混乱が生じております。

B群ならば胃がん低リスク群、ピロリ菌がいますので、内視鏡検査を行った後に除菌の後、最低3年ごとの内視鏡検査を。

C群ならば胃がん中等度リスク群、ピロリ菌がいますので、内視鏡検査を行った後に除菌の後、最低2年ごとの内視鏡検査を。

D群ならば、胃がん高リスク群、胃炎により胃粘膜が荒廃し、ピロリ菌が既に住めなくなっていますので、除菌は必要ありません。発がんリスクが高く、毎年の内視鏡検査をお受け下さい。

E群はピロリ菌の除菌歴があるのに、間違って胃癌リスク検診を受けてしまった方で、胃癌のリスクを出すことは不可能な方です。

胃癌リスク健診は簡単に採血で行えますが、一生に一度限りで、初回の結果が一生涯の胃癌リスクであるとお考え下さい。 

※ 食道癌は比較的まれな疾患ではありますが、喫煙期間と飲酒量で発がんリスクが変わってきます。どちらかの嗜好がある方は3年に1回、両方とも嗜好される方は1〜2年に1回の検査をお勧めします。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ検査)

<一般的に大腸カメラ検査と呼ばれますが、正確には小腸回盲部、盲腸、結腸、直腸を検査するため、医学的には下部消化管内視鏡検査といいます。>

【診断可能疾患】

大腸がん・大腸ポリープ(過形成性・腺腫性・過誤腫性・炎症性など)、粘膜下腫瘍、カルチノイド、腸炎(腸結核、アメーバ赤痢、感染性大腸炎、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、クローン病、粘膜脱症候群、コラーゲン性大腸炎、NSAID’s潰瘍など)

 大腸の長さは人により異なりますが、おおよそ1.5〜2mあります。日本で多く使われる大腸内視鏡は1.3m程の短い内視鏡です。2mある服の袖に1.3mの腕を袖をたくって通すイメージです。

 【検査時の痛みの原因】

 胃カメラと違って、大腸カメラは内視鏡で大腸をたくり寄せながら挿入するために、大変高度な技術力を要します。習得にも時間がかかります。  
 胃の筋肉は厚く、牛で言えば「ミノ」ですが、大腸は大変薄く、牛で言えば「テッチャン」です。
 無理に伸ばすと腸が裂けて穿孔を起こしてしまいます。また穿孔しなくても無理に腸を伸ばすと激しい痛みが出るため、痛がらせてしまいます。
 無理なくなるべく痛がらせず挿入するのには、更に経験を要します

 一度でも偶発事故を起こすと悪評の立ってしまう開業医においては、大腸カメラ検査を行う事は大変なリスクを伴うため、かなり内視鏡経験を積んでからでないと出来ません。
 そのため診療所レベルでは、胃カメラ検査を行う施設に比べて大腸カメラを行う施設は大変少ないのです。
 事故の起こらないようにひたすら慎重に、丁寧に検査を行う事で、当院では幸運なことに、穿孔や術後の出血と言った偶発症は、現在までの所は一例も出しておりません。
 例えば、大病院で検査を行う場合は、ベテランの医師に当たるか、研修医に当たるか、全く解りません。私自身、そうやって大学病院や関連病院で育てていただきました。しかし、いざ当院の大切な患者様を病院に紹介する場合は、「ベテラン医に当たりますように」と願い、困難症例では上級施行医に直接お願いする事すらあります。
 当院では全て院長が行いますので、安心して受けていただけます。

 当院では小さな早期大腸がんやポリープであれば、入院無く検査時に当院でそのまま切除することもできます。切除後は運動制限や飲酒制限、場合によっては自宅安静をさせていただきます。

 大腸内視鏡検査は胃内視鏡検査と違い、屈曲やヒダが多く、カメラで見る ことの困難な死角が多いため、ベテランでも2割くらいの小病変は見逃すと言われています。また、大腸がん健診で1つでも便潜血陽性であったら必ず精密検査を受けないといけません。痔だったからとか理由を付けて、もう一度便潜血検査をして済ませてしまうという、誤った事例があります。

 実際に進行癌があった事例が何度かありました。1つでも陽性であったら必ず精密検査をお受け下さい。    

腹部超音波検査(腹部エコー)

 <主に、胆嚢や、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓のような実質(固形)臓器の検査で用います。>


 「肝内結石、胆石、総胆管結石、腎結石、尿管結石、膵石など、結石は描出しやすいです。また、脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変、肝血管腫、肝腫瘍、肝臓癌や胆嚢炎、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋腫症、胆泥、胆砂、胆嚢癌、肝嚢胞、腎嚢胞、腎臓癌、膵炎、胸水、腹水、腹部大動脈瘤、副腎腫瘍、場合により子宮筋腫、卵巣嚢腫」などこれらの症状は、コントラストの違いとして描出されます。ドップラー法を用いれば、血流もわかります。

 膵臓は最深部臓器であり、胃内に食物が残っていたり、ガスがあったり、特に肥満があれば、超音波が届きにくく、やや苦手とする臓器です。

 結石などは腹部超音波検査でも確定診断できますが、超音波検査の主な目的は、疾患の拾い上げ検査であって、採血やCT、造影CT検査やMRI検査、場合によっては組織検査などで裏付けを取り、併せて確定診断となります。

 CT検査等の様に、誰が行っても再現性・客観性のある検査とは違い、超音波検査は術者の主観による判断と超音波プローブの当て方といった技術的要素が必要ですので、誰が行っても同じ結果の得られる検査ではありません。

 超音波検査前に診察をして、痛みや黄疸などの症状を知っていて、膵炎や胆嚢炎、胆石、腎結石などを疑っていたり、採血検査でウイルス性肝炎や、肝機能異常などがわかっていて、先に疑わしい疾患が想定されていて、それを診断しようという目的意識があれば、術者がその臓器をより詳しく検査できるため、超音波検査の精度はぐんと上がります。
 人間ドックのように無目的に全体をスクリーニングする検査では、精度は落ちます。

 超音波プローブを強く当てすぎない限りは、ほとんど痛みも無く、人体に悪影響を及ぼさず、非常に有用で安全な検査ですが、術者の目的や経験や技量で全く診断精度が変わってしまう検査でもあります。

 胃や腸のような消化管も進行癌で大きな塊になった時や大きな粘膜下腫瘍、虫垂炎時の腫脹があると見えることがありますが、基本的には管腔内にあるガスに弱いため、管腔臓器は得意としません。

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